止まれない

野球のチケットをもらった。なんでも試合の途中でどーんと花火が上がるとか。かき氷もあるとか。野球のなんたるかも知らない妻だけれど、夕涼みがてら夫と野球場デートなんて素敵だ。シャワーを浴びてから意気揚々とお出かけ。
しかし玄関を出て2分でさっそく大問題。夫の愛車のバッテリーが上がっている。なぜだ。よく見ると車内灯のスイッチが入ったままだった。誰だ。オレがオマエがという押し問答すら忘れ車の前でふたりして立ち尽くし。しばらくぼうぜんとしたのち、動かない車を立体駐車場から汗だくで押し出してロードサービスにお電話。石ころなんかを蹴ってしんみり待つ。果たして30分後にロードサービスのお兄さんは大きな牽引車に乗って笑顔でやってきて、速やかにエンジンをかけてくれた。救世主。本当にありがとう。満面の笑みでお礼を言う夫と妻に、お兄さんは「バッテリーを充電しないとまた止まりますから、今から2時間ぐらい車に乗って走り続けてください」とわりとひどいことを爽やかに言い放ってじゃーねーと帰って行った。野球観戦あっさり中止。かくして我々は、エンストしたら終わりの爆弾みたいな車に乗ってどこにも行きたくもないのに西へ西へと高速道路をひた走る羽目に。まったく夕涼みどころじゃなかった。
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