はまらない

「たびたび日記に登場するあの変なパンダはなんだ」というメールをたくさんいただく。
あれは「約三十の嘘」という映画に出てくる「ゴンゾウ」という名前で、映画公開時にグッズとして売られていたパンダ。
この映画がDVDになった時に「ゴンゾウ」の存在を初めて知った妻は完全に出遅れ、発売元に問い合わせてみても「もうないよ」のつれないお返事。なぜか諦めきれずに半年間探し回ったあげく、心優しい方に半ば無茶苦茶を言って譲っていただいたものなのだ。

このゴンゾウさん実は着ぐるみ。
説明書には「リカちゃんサイズのお人形に着せるとよろしい」と書いてあったけれど残念ながら妻はリカちゃんを持たない。しかも遠い記憶の中のリカちゃんはあまり手足が曲がらない。どうしてもゴンゾウさんにおかしなポーズを取って欲しかった妻は例によって検索を。しかし「関節が自由に曲がる人形」の呼称がどうしてもわからず、苦し紛れに「ポーズ人形」と打ち込んだら昔テレビの上に飾ってあったような、ガラスケースに入れられた華やかなドレスの人形がいっぱい出てきた。そうか。あれは「ポーズ人形」というんだね。ひとつ知識を得たけれど結局わからない。

「こんな時は実際におもちゃ屋さんに行くと良いよ」という頼もしい夫の助言に従ってふたりでおもちゃ屋。実は夫もノリノリだ。
そしておもちゃ屋のワゴンに投げ売られているリトルなマーメイドさんを発見。魚。500円。箱を手にとってじっと見る。人魚の服の下もさんかくになっていませんようにとホラーな気持ちで祈りながら帰宅。そうして人魚はパンダになったのだった。まさかマーメイドさんも人間になるやいなやパンダ着せられるとは思ってなかったと思う。

それからの妻は愉快な写真が撮りたい一心で小道具探しに奔走。ゴンゾウさんに合う机や椅子を買い求めてお人形さんごっこ。しかも夫も止めないものだから我が家は踏んだら痛そうなこまこまとしたミニチュアでいっぱい。もういい大人なのに迷走中。
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