当たらない

夫が「さあ夢でも見るか」と言って戯れに「宝くじ」を3枚買ってきたので、ふたりで夢を見ることにする。3枚買ったわけは「一等賞」と「前後賞」を合わせて3枚だからだそうだった。どんぴしゃで当てる気だ。夫はもしかしたら大ばくち打ちだ。
いくら夢とはいえ、妻はせいぜい「100万円」ぐらいが限界でなんにも思いつかない。なんなら「5千円」のほうが胸躍る。良い案も出ずにボーと一点を見つめる妻の横で、夫は「ぼくは素敵な車を買う」と言った。そして妻用にも車を購入して、今の愛車も手放さないらしいので夢の中の我が家はなんだか車だらけに。しかし話題はそれから「そうなると駐車場代が」とか「維持費が」とか「保険が」などという、3枚900円の夢にふさわしい実に地味なものに移っていったのだった。
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