もえない

つけたままだったテレビから「メイドさん」かなにかの映像が。
それを観た夫が「ぼくも今日から『ご主人さま』って呼んでもらおうかな!」と冗談めかして言って、ふたりでハハハと笑ったのを妻はずっと覚えている。妻なりに「あるじに仕えるもの」の具体例をイメージしたのち、夫がそんなことすっかり忘れた頃にそそそと近づいて「ごしゅりんたま。すいか食べませんか」と尋ねてみると夫は妻の顔を見て眉を曲げ、「…そう呼ばれちゃうともう、『ハットリくん』に出てくる猫しか思い浮かばないな…」と懐かしいことを言った。「影千代」ではだめみたいだった。
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