夏の四国旅日記

妻が持ってるボーダフォンの一部の機種ではメール画面で「風邪が治りかけた」と打ち込むや否やたちまち電源が切れて再起動。いままで打った文章すべておじゃん。という不具合があるというのを昨日夫から聞いて、実家の母にやってみせたらなぜか大うけの日曜日。調子に乗って何度も「風邪が治りかけた」「風邪が治りかけた」と風邪もひいていないのに打つと本格的に壊れるそうなので気をつけて。

恒例の四国。今年の夏も、夫がきてくれます。
ちょうど梅雨も明けて、てのひら返したように晴れて日本の西は猛暑。
サービスエリアで母が選んだCDを買い、「瀬戸の花嫁」を聴きながら夫の自慢の青い車で妻と母と夫は瀬戸大橋を渡るのだった。

おなじみの愛媛限定キャラクターであるところの「タルト」さんは新商品が増えていた。「ワイハ(鈴5個入)」。「タルト」さんが愉快なビーチボールに。でも海に入ったら「タルト」さんきっと溶けると思う。だってあんこだもの。
母は「なんでハワイのことを『ワイハ』って言うの?」とそればっかり気にしていた。夫に「タルトTシャツ」をしつこくすすめてみたけれど、やっぱりいらないみたいだった。「だって『オヤツ』って書いてあるもの…」と、大人はどこかしら消極的。

祖母へのお土産は「養命酒」と「ぱんだ」の紙ふうせん。
たまたま駄菓子屋さんで見つけて祖母の家の猫にパンチでもしてもらうつもりで持ってきた。しかし祖母がこれをとても気に入って、「ぶら下げて飾るぜ」と言う。そこで祖母の言いつけどおり、そのへんにあったビニールひもを「ぱんだ」に貼っつけて天井にセロテープでとめ、祖母の家はこれでますますおかしいかんじに。
そしてかんじんの猫は、祖母の家に到着した際に庭で見かけて以来、戻ってこない。きっとろくな目に遭わないと思って避難したのだろう。やっぱり妻は猫には好いてもらえないみたいだった。

翌日はドライブ。祖母を連れて八幡浜市にある「平家谷」へ。
「平家谷」は壇の浦の戦いで源氏に敗れた平家の一族が落ちのびてきたという伝説があるところ。なにやら悲しいお話があるらしいこの地は、水がきれいなので今は「流しそうめん」が名物に。「平家」と「流しそうめん」は、あまり関係が無い。

せっかくなのでお昼は流れたそうめんでも食べる。
そうめんは、左からやってきて右に流れていくしくみ。左利きの妻は食べにくいことこの上ない。妻がそうめんの出発点である一番上流に居たにも関わらず悪戦苦闘。
そうめんはすごい速さで流れていった。

ぐるりと輪になったそうめんレーンの向かい側には、同じく左利きの小さな男の子が座っていて、やっぱり左から流れてくるそうめんに苦労していた。そうだよね。左利き専用レーンも欲しいよね。と、親愛の情を込めて少年に熱い視線を送ってみたけれど男の子はそうめんに夢中でこっちなんか見てもくれなかった。

川の端には小さな釣堀があってそこには「にじます」が泳いでいる。それを釣り上げると1匹300円で焼いてくれるというのでやってみる。
夫が竹でできた竿に練り餌をつけて放るとものの2秒で「にじます」は掛かった。早すぎる。まさに入れ食い。これならばと祖母にも釣竿を持たせ、釣り上げる様子をビデオで撮影するべくカメラを向けると祖母は見事に釣り上げて暴れまわる「にじます」をびーんと釣竿ごとカメラにぶっつけた。

母も妻も釣り、ばけつに入った4匹の「にじます」を係りのおじさんに渡すとおじさんはその場で躊躇なく「にじます」にザサーンと串を刺し、塩を塗りつけて焼いてくれた。盛り上がる夏休み気分。
焼けた「にじます」には焦げないようにこれでもかというほど塩がついているから丸かぶりするとしょっぱいよ。ばあちゃん。と夫が言った途端に祖母と、あと妻は盛大に「にじます」を丸かぶり、ふたりしてしょっぱさに大悶絶。

全員で靴を脱いで裸足でわあわあと川に入って水遊び。水は驚くほどきれいで冷たい。
祖母が無茶をしないように付き添っていた夫。祖母は川の真ん中の小さな岩を指して「あの岩に登りたいぜ」と案の定無茶を言い、夫を困らせていた。

また車に乗り込んで今度は佐田岬へ走る。今年の春に訪れて、強風に吹きつけられて凍える思いをしたあげく地元のひとに「ここは夏にくるところだよ」と言われてしまった日本一細長い半島、佐田岬。もう夏なのでまたきました。
このあたりは風が強いので半島には大きな風力発電の風車がどーんと立っている。ずらりと並ぶ姿は壮観で、あまり見ることができない風景に4人はすっかり魅了される。しかしこの日はなぜか無風。巨大な風車はぴくりとも動かず。爽やかな風も吹かず。ただ暑いのだった。

展望台のすぐ横に立っている風車が都合よく太陽を遮ってくれたのでなんとか日影に入ることができた。やっぱり海の近くの建造物は白くて美しいものが良いよね。と言いながら、地球の自転にともなって1時間に15度移動する風車の影と同じようにじりじりじりと我々も移動。

それから近所の銭湯でびしょびしょの汗を流し、祖母の家に帰って夫は「とんかち」でこんこんと祖母の家の窓にカーテンレールをつけたり、ドアの立て付けを直したりした。男手。男手は素敵だ。夫はその夜30代と50代と80代の女からの喝采を一手に受けたのだった。
猫は帰ってきません。

翌日も元気な祖母を連れて農場公園までドライブ。
去年の夏に遊びに来た時にぽつねんと立っていた搾乳体験の出来るはりぼての牛「ミルちゃん」。去年はちゃんとおしりに青いホースを繋がれて、ゴムでできたお乳をしぼると水がピューと出た。残念なことに今年はホースがなく、ゴムをギューとしてもスカーと空気だけしか出なかった。夏休みなのに侘しいかんじ。

施設の中にあるレストランで昼食。ここで作ったチーズや牛乳をふんだんに使ったグラタンやピザがおいしいと紹介されていたので過剰に期待していたらコックさんが健康志向なのかなんとなく薄味でなんとなく微妙。なんとなくしんみりと食事をする妻と夫と母の横で、祖母は「和風ハンバーグ」なんかをもりもりと食べ、ピザにも手を伸ばして「まことうまいぜ」と言ったのだった。良かった。

なんとなくおなかいっぱいになった一行は農場の近くにある渓谷を地図で見つけて行ってみる。そこにはキャンプ場があって子どもが遊べるアスレチックのようなものもあり、とても楽しげなので夏休みのレジャーのお客さんがいっぱいかと思いきや人影皆無。整備された細い道には誰も歩いた跡も無く。ベンチも苔むして陰鬱な雰囲気。祖母は元気いっぱい。妻はわりとおっかない。

それでも渓谷は美しい。さんざ歩いて滝を見たあと「この上に神社があるぜ!」と立て看板を見て意気揚々と近年誰も歩いていなさそうなぼろぼろの階段を歩き出した祖母を、蛇を怖がる母は必死で阻止。そそくさと車に戻って散策あっけなく終了。

今日は「小藪温泉」でお湯を借ります。
温泉の少ない四国の中でとびきり良いお湯が出ている場所のひとつ。加えて大正2年に建てられた今では珍しい木造の3階建ての宿が、ものすごくおんぼろで趣があって妻はもう大好きなのだった。ここに夫をご案内。

しかし夏場の温泉はやっぱりつらい。とても良い気持ちでお風呂から出てもすぐに汗みずく。

祖母の家に帰ると猫が待っていた。
妻たちが来てからちっとも家に寄り付かない猫。猫に「今から花火をしますよ」と言うと猫は無言でまたどこかに行ってしまった。

持参した花火を庭でやる。祖母は「急いで火をつけたらあっという間になくなってしまうぜ」と言うわりには線香花火を5本まとめて着火したりして巨大な赤い玉を作って無茶苦茶をしている。そしてやっぱり花火はあっという間になくなってしまったぜ。


明日の早朝にもう帰る。寂しがる祖母に夫は余興の手品を披露。下に敷くマットまで持ってきていた。なぜだ。
夫はコインを消したり祖母の引いたトランプがなんだったか当てたりしようとしたけれど、無茶苦茶な祖母は手品を見せてもらうひとの暗黙の了解をことごとく無視。見てはいけないカードをひっくり返したり引いたカードを返さなかったりして夫をほとほと困らせていた。

翌日も良い天気。ばあちゃん元気で。また秋に参ります。朝日を顔面に受けながら車をひたすら東に。
そしてビデオカメラやデジタルカメラなどを入れすぎた今年買ったばかりの妻の素敵なかごバッグが、重さに耐え切れずに革の持ち手のところからかごが破れかぶれになって旅おわり。
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コメント
タカマルさま、ユキさま、おっかえりなさ~い。
きれいな写真に 次は?次は?とワクワクする旅日記をありがとう!
昨日 人に話せないほどの落ち込むことがありまして、気持ちがぺシャンとなっておりました。
「おでん」に寄らせてもらって 気を入れ替えて なんとか前向きに対処していきたいと・・・踏ん張りたいと・・・今、冷静に何をなすべきかと、何ができるかと・・・
ありとあらゆる思いを整理中です。すんません私事で・・・
投稿 きなこ | 2006年8月 4日 (金) 11時08分
ユキさんこんにちは♪
vodafone所有してます。
一部の機種に当てはまるようです。
見事に電源落ちましたッ! どーん☆
彼氏のユキも色違いで同じ機種なので見せてやりますwww
(知ってたとか言われたらショック)
再起動にドキドキしながら夏の四国旅日記を拝読。
いつも以上に楽しそうなのは
やはり愛するタカマル様も同行されたからなのでしょうか。
さりげないタカマル様のお祖母様への気遣いがステキです。
投稿 MICA | 2006年8月 4日 (金) 12時50分
ユキさんおかえりなさい。
うちの祖母も2年前まで四国に住んでいて、私もその頃は神戸から四国に通っていたので、いつも自分のことのように
楽しみに見ています。
祖母は2年前に亡くなったのですが、いつももっといろいろ連れて行ってあげればよかったなって思います。
ユキさんのおばあ様はとてもおちゃめですね。
パンダの紙風船、どんな風にぶらさがっているのだろう?
タカマルさん大活躍でしたね~♪
投稿 紗帆 | 2006年8月 4日 (金) 20時47分
ユキさん&タカマルさん、お帰りなさいませ(^^)
今回もお写真ステキですね。
臨場感あふれる文章とともに堪能させて頂きましたよ。
ハイライトはやはり「手品」でしょうか。
マットまで持参のタカマルさま、一体どんな方なんだろうと
読んでてドキドキしちゃいました。いやヘンな意味ではなく。
あとはタルトさん ... これはスバラシイ。
生き物と食い物のはざ間で悩んでる感じがシュールですね。
全然情報が集まりません。どこかでグッズ買えないかなぁ ...
ハズした感想ばっかりでスミマセン。でもやっぱり面白い♪
投稿 whitewild | 2006年8月 7日 (月) 17時40分
・きなこさん
読んでいただいてありがとうございます。無事に戻ってまいりました。
気持ちの整理はつきましたか。どうか焦らずに答えを出してくださいね。
わたしはそういう時はいつも慌てて穴だらけの対処しか出来ずにしなしなにしおれてしまいます。「おでん」が少しでも気晴らしになるのならこんな嬉しいことはありません。
・MICAさん
いったいどういった不具合で風邪が治りかけると再起動になってしまうんでしょうね。おちおち風邪も治していられないかんじです。
四国、祖母も楽しんでくれたみたいなので良かったです。夫が居ない時は主に祖母の家の片付け中心であまりはじけとんだ日記にならないので、たまに一緒に来てくれると愉快です。
・紗帆さん
神戸から四国まで、海を渡ればすぐ近くのような気がしますが四国に渡ってからが遠いですよね。四国は広いなあ。
四国の祖父はわたしが小学生の時に亡くなったので「もっといろいろしてあげたかったなあ」といつも思います。せめてわたしが車を運転できるようになるまで生きていてくれたら、どこか連れていってあげられたのになあと。瀬戸大橋の完成をとても楽しみにしていた祖父でした。祖母には、じぶんの中にそんな後悔が残らないようにめいっぱいドライブに連れて行きたいと思います。紙ふうせんもあげたいと思います。きっと今頃は猫パンチであの紙ふうせんはぼろぼろです。
・whitewildさん
ありがとうございます。whitewildさんの素敵な写真にはとうていかないませんが手当たり次第に撮っています。フフ。
トランプは夫いわく、「退屈な時があったら練習しようと思って持ってきたよ」とのことですが、まったくそんな暇はありませんでした。夜は倒れるように寝ていました。健康的。
「タルト」さん。顔に「の」って描いているだけなのに素敵です。ぜひ自慢の車で四国にドライブでも。うーん遠すぎる。
http://www.dogo.co.jp/shop/taruto.php
どうやらここでいろんな商品が買えるようですよ。
投稿 ユキ | 2006年8月 8日 (火) 17時25分