達成できない
年の瀬に友人と会う。
最初はお茶などのんで優雅に過ごしていたのに話題は折れて流れてなぜかボーリングをすることになってしまったふたり。
勇んで行ったおんぼろのボーリング場のフロントで、店員さんが「くじ引きをしてください」と箱をがさがさとやりながら言い、友人が引くとくじには「ひとりスコア130以上」と書かれてあった。聞けばその条件をクリアすると良いものをあげますということだった。わっと盛り上がるふたり。
結果、妻は80。友人にいたっては37というスコアをたたき出し、たったの1ゲームですごすごと現場をあとに。ふたり分足したって130にならない。
店員さんが申し訳なさそうな顔をしていた。
夫は忘年会。
ずいぶん前にパーティもしてしまって、クリスマスムードのかけらも無い我が家だけれども、夫が朝、休日出勤のしたくを整えながら「やっぱりケーキくらいは買おうかね」と言ったので妻も途端にその気になり「いちごの乗った白いやつが良いかな」などと盛り上がり、夫をお見送り。
我が家の寝室はマンションの廊下側にあって、マンションの廊下側というのは総じて北に位置しているためとても寒い。すごく寒い。
女性ホルモンが妻の脳を操り、どうでも良いことでムッカリ腹を立てたりつまらないことで泣きそうになったりもする。これほどまでに無駄なことは無い。ソファにねっころがって思案。この負の力を有意義なものに変えようと真剣に考えてはみたものの、思考は流れ流れてなぜだか「ムッカリの冒険」という、主人公ムッカリがさまざまな困難に立ち向かう壮大なストーリーが頭の中で巻き起こってしまい、その上そのくだらないお話にいくばくかの教訓を持たせようと必死で展開を考えるという非常に不思議で無意義な結果になってしまった。
ケーキ屋さん勤務の友人がおいしいクリスマスケーキをこしらえ、焼き菓子の詰められたバスケットを抱えて我が家にやって来た。
12月も12日になるというのにちっとも湧かない年末感。ただただ寒いだけの日々を送っているおかげで、今年はクリスマス・ツリーも出していない始末。いけない。このままではお正月ですらなんとなく過ぎてしまう。
朝夫を仕事に送り出してから何気なく腰につけた「万歩計」を見てみると「888歩」だったので思わず「おお」と言い、「888といえば煩悩の数」などとひとりごちて己の数多ある煩悩に思いを馳せてみたのだけれども、実際の煩悩の数は「108」なのだった。多すぎだ。大晦日の「除夜の鐘」だってすごい時間かかる。鐘だってきっとべこべこにへこむ。
夫の東京みやげ。
すごい。寒い。